「バツイチ男はモテる」は本当なのか|婚活市場の実態とは?

読者の皆さんも一度は聞いたことがあるのではないだろうか、「バツイチ男はモテる」と。本稿を読んでいる読者のなかには不運にも(?)「バツイチ」の称号を得た男性が含まれていることだろう。そして願わくば、「バツイチ男がモテる」ことのエビデンスを得て婚活に臨み、再婚したいと考えているのではないだろうか。

ちなみに筆者は20代で結婚し、30代でバツイチとなった。バツイチデビュー後婚活をはじめ、1年以内に現在のパートナーと交際を開始し、そのまま結婚に至っている。結果として婚活を始めてから1年半ほどで再婚しており、その事実だけを切り取れば順調なバツイチ婚活ができたと言える。この一見バツイチ男再婚の成功事例ともとらえられる筆者が見た、バツイチ男の婚活実態を書いてみたいと思う。

目次

「バツイチ男はモテる」とされる理由

本題へ移る前に、どうして「バツイチ男はモテる」という話が巷で囁かれるようになったのかを考えたい。筆者がバツイチデビューを果たして婚活を始めるにあたり、まずしたことは「バツイチ男 モテる」や「バツイチ男 モテる 理由」でググることだった。一部の読者となんら変わりなく「俺、再婚できるのか?」という不安を抱え、その不安を払拭してくれる情報に心の拠り所を求めた。そうして調べた情報の中に共通して書かれていたのが、以下のような内容だった。

・一度は誰かに選ばれた実績・魅力がある
・デートでリードできるなど女性の扱いに慣れている
・ルックスが良い人が多い
・良い意味で結婚生活に幻想を抱いていない

(不安を抱くバツイチ男にとって)とても都合良く書かれている。一つ一つについてその理由を言及したいところであるが、本題とズレるのでそこは割愛したい。

さて、これらの内容が書かれているのは個人のブログではなく主に結婚相談所のサイトであった。ここがポイントだと筆者は考える。調べて出てくるのは大手と思しき結婚相談所サイトなので、おそらくSEO上位表示されるよう対策されているものと思われる。上位表示されることが重要なのではない。これは推測でしかないが、結婚相談所にとって都合の良い情報であるから、結婚相談所が「バツイチ男はモテる」という情報を発信していると考えられるのだ。念のため申し上げておくが、結婚相談所が自社の利益のために「バツイチ男はモテる」というトピックの記事を書いていたとしても、これを否定するものではない。あくまでビジネスなのだから自社サービスに流入が見込まれる記事を出すこと自体なんら違和感はない。

話が脱線したが、筆者が言いたいのは、巷で囁かれている「バツイチ男がモテる」説の出所は結婚相談所である可能性が高いということだ。そして彼らはビジネスのためにその情報を発信していると推察され、あくまで定性的に「バツイチ男がモテる」ことを説明しているに過ぎないのだ。「バツイチ男がモテる」ことを示す定量データから記事を書いているというよりはむしろ、ポテンシャル会員を確保すべく、バツイチ男に考えられるアドバンテージを列挙していると考えるのが自然であろう。バツイチ男がモテる「事実」を示しているのではなく、バツイチ男がモテる「可能性」を示しているということだ。実際バツイチ婚活をしてみた身としては、こちらの認識の方がしっくりくるのだ。

「バツイチ男はモテる」のか

バツイチ男は婚活イベントでモテる!?

筆者はバツイチ婚活初期に婚活イベントに参加したことがある。婚活するにあたってのリハビリ的位置づけで参加したのだ。詳細については以下の記事を参照してもらいたいのだが、結論から言うと筆者は参加した婚活イベントでモテた。複数名の女性とハーレムを形成するという誰もが羨む(?)状況を経験したのだ。

このハーレム経験から当時の筆者は、「再婚余裕かもしれないなあ」などと自惚れたことを思ったのだった。

結婚相談所でバツイチ男がモテないワケ

婚活イベントでの成功体験を胸に意気揚々と結婚相談所に入会した筆者だったが、ここでは驚くほどモテなかった。正確に言えば、モテるモテないの話ではなかった。結論から言うと結婚相談所に登録している多くの婚活女性にとって、筆者は「結婚対象外」だったのだ。この点については数字を使って説明したい。

ただし、説明したい内容を直接的に表すデータを、少なくとも筆者は見つけ出すことができなかった。したがって、いくつかの別のデータを組み合わせるかたちで対応したい。もとにしたデータの開示時期もバラバラなので、分析結果が現状の実態を表しているかどうかは怪しいのであるが、大枠は外していないだろうということで読んでいただければと思う。

説明にあたって使用するデータは、結婚相談所大手のIBJが公開している会員数関連データ(2025年6月閲覧時点)と、同じくIBJが2013年10月に公開した「~IBJ「結婚相手の理想の婚姻歴」に関する意識調査~」の2つである。

まず、会員数関連データから見てみよう。本稿作成にあたって閲覧した時点では、参照ページは以下に貼る画像のとおりであった。登録会員数が98,246名であり、男女比は52.5%:47.5%となっている(25/6月閲覧時点)。当該男女比率をもとに人数を出すと、男性が51,579名、女性が46,667名となる。

IBJサイト「数字でIBJチェック!」より転用(2025年6月時点)

続いて、「~IBJ「結婚相手の理想の婚姻歴」に関する意識調査~」のデータだが、年齢層別に「初婚にこだわる」、「再婚(子なし)OK」など相手に求める婚歴に関してデータがまとめられている。ひとまず各年齢層別に並べたい。

~IBJ「結婚相手の理想の婚姻歴」に関する意識調査~」より転用

この意識調査の結論として、次のデータをもって男女ともに半数以上の人は結婚相手の婚姻歴に「こだわらない(=初婚でなくてもかまわない)」としている。

~IBJ「結婚相手の理想の婚姻歴」に関する意識調査~」より転用

ただ、注意したいのは、最終結論に使われている円グラフが全年齢層を対象にしたものであるという点である。画像を上から順に流していってもらえれば分かるのだが、年齢層が高くなるにつれて「結婚相手が初婚であること」にこだわる人の割合は減少している。以下が筆者の方でもう少しシンプルにデータを見られるよう整理したものだ。

男性と女性で比較をするとまた面白いのだが、本稿は「バツイチ男はモテる」かどうかにフォーカスしているため、女性の傾向に注目していきたい。筆者は30代前半でバツイチとなっており、ターゲットとしては20代後半~30代前半であった。また、男性の場合は40代であっても若い女性を結婚相手として望むケースが多いため、特に20代~30代前半に絞ってここでは考えたい。統計データの取得期間がずいぶん異なるため、上記の意識調査をそのまま使用するのは少々強引であるが、上で触れたIBJの会員数データと組み合わせて数字を作成していくこととする(以下に再掲する)。

IBJサイト「数字でIBJチェック!」より転用(2025年6月時点)

2つのデータを使用して数値を試算するにあたり、上図会員の年齢比の20代は「~IBJ「結婚相手の理想の婚姻歴」に関する意識調査~」における20代後半と対応するものとして考えることとする。この前提で、初婚にこだわる女性とこだわらない女性について、年齢別に分けてみたものが次のスライドである。

このスライドを見て、読者はどう感じただろうか。表示された人数を見て多いと思っただろうか、あるいは少ないと思っただろうか。数が大きいのでいまいちピンとこないという読者もいるだろう。

例えば1クラス40人の学級で考えてみよう。男女半々のクラスだとすると女性は20人である。20代後半+30代前半の女性を対象としたときに、その合計は18,433名、うち初婚にこだわらないのは4,985名だ。比率にして27.0%である。20名に当該比率を乗じると5名となる。つまり、この5名だけが、バツイチのあなたを結婚相手候補として認識してくれるということだ。逆に言えば、残り15名からは結婚相手候補として認識をされず、検討のテーブルにも乗ることができないということだ。もはやモテるモテないの次元ではない。入り口の段階でバツイチ男性は、7割以上の女性にとって明確に対象外なのである(20代~30代前半で考えた場合)。

バツイチ男がモテるには

近年はバツイチの人も増えているので、世間的にはもう少しバツイチに寛容かもしれない。ただ、筆者の体感的にも上記の割合は違和感がなく、バツイチのステータスを持つ者は婚活市場において厳しい戦いを強いられることだろう。先ほど触れた学級の例で言えば、5名の候補者から将来の伴侶を見つけなければならないのだ。婚活をしていると、どうしても自分が「選ぶ立場でありたい」と思ってしまうが、現実としてはそこはフラットであると思う(圧倒的選択権を持つような人は結婚相談所に登録しない。登録しなくとも結婚できるからだ)。さらに、ここで勘違いをしてはいけないのは、あくまで先の5名は初婚に「こだわらない」だけであって、積極的にバツイチ男性を選びたいというわけではないということだ。仮にまったく同じスペックの男性が2人いたとして、片方はバツイチ、もう片方が初婚であるとき、女性はどちらの男性を選ぶだろうか。おそらく後者だろう。まったく同じスペックという仮定が現実離れしていることは承知の上であるが、その現実性はここではどうでも良い。重要なのは、先の5名の女性から最終的に選ばれる立場になるためには、他の初婚男性に対して優位なポジションに身を置く必要があるということなのだ。

容姿、経済力、性格。これらの総合得点が初婚男性を上回るかどうか。まずはそこがポイントとなるだろう。そんなものではかられてたまるか、そう考える人もいるかもしれないが、それが現実だ。女性にとって、許容可能あるいは好みの容姿か、将来の生活を見通せる程度の年収か、これからの人生を一緒に歩んでいけそうな性格か。結婚生活においてはいずれも大事な要素であろう。

おわり

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